木質バイオマス燃料拠点施設 佐藤佳織さん
チップ工場について教えてください。
長野県木曽町福島にあり綺麗な川沿い(きそふくしまスキー場に行く途中)にあります。
道からは見えにくいですが…笑
そこで木曽森林組合さんが運んで来た原木を専用の機械でチップにしたり温泉施設で利用する薪をつくったりしている場所です。
今は5人で運営しています。
仕事内容について教えてください。
今行っている仕事はチップ配達・薪割りになります。
チップの配達はそれぞれ定期的ではないので卸先から連絡が着たらダンプに積んで配達するかたちになります。燃料用に使用するチップなので工場で乾燥させてから持っていきます。
その工程はまずチッパー機で粉砕したチップを地面に撒きそれをトラクターでならしてから人の目で大きいモノや長いモノなどみながら拾います。
※撒くのは晴れた日
1回拾い終わったらまたトラクターで混ぜます、これを1回~2回程繰り返します。
※不揃いのチップを拾うのが多分工程の中大変かもしれないです。
午後になったらストックヤードに入れます。
ストックヤードはチップの含水率によって入れる場所が分かれています。
含水率は35%と25%になります、それぞれ卸先によって違うからです。
なので出来るだけチップはカラカラに乾燥させておきます。
どのような場所でチップや薪が使われていますか?
チップは『乾燥チップ』『生チップ』がありそれぞれ用途が違います。
『乾燥チップ』は主に公共施設の燃料として使用されています。ただチップは元々形が不揃いで機械から出てくるので乾燥させながら形が大きいモノ長いモノなど人の目で見て拾ったりします。
『生チップ』は主に外で使用するかたちになります、キャンプ場、庭先、工事用などそして『薪』は地元の温泉施設で燃料として使用されています。
木曽の木が木曽の中で循環することに関して、どのようなことを感じますか?
とてもいい事だと思います。
地元の人でもなかなか木曽の五木など名前は知っているけどそれをどこに何に使用しているかとか伐採した木はどこに行くのかあまり知られてないとおもうので地元の木を地元で使用してこんな素晴らしいモノになるんだとかあらためて感じられると思います!
大変なことや、これから解決していきたい課題はありますか?
山ほどあります。
現に人手不足です。ただ人数を増やせば良いという訳ではなく、今後を考えると若い人の雇用が必要だと思うのですが、なかなか現状では体力仕事をしたいって言う人がいないので、自然に携わる仕事に興味を持って貰えるように工夫していきたいと思います。
薪割りは去年から引き継いでやり始めたばかりなので試行錯誤しながらやっています!薪割りは薪割り機で丸太を割ります。1人がチェーンソーで60cmに丸太を切りそしてそれを割り、割ったモノは積み上げて乾燥させます。乾燥させないと燃えないので。ただ夏場などは乾燥しますが冬場とかになるとなかなか乾燥しないので難点です。
林業に関わることの喜びや嬉しさはありますか?
林業=山にのぼって伐採する体力仕事のイメージが強いかと思います。
自分は正直一生関わらない仕事だろうなって思っていました。ただこの仕事に就いて思った事は達成感です。
確かに山にのぼった時はもの凄くしんどかったし疲れました…でも登り終えた時の達成感は気持ちが良かったです。
諸事情で今のチップ工場に就きましたが、木に携わる仕事は色々が初めてで大変な事もあります。でも、今はお客様が『ここのチップがいいんだよ〜』と言ってくれることが喜びです!
今後の林業に感じる可能性を教えて下さい。
林業は今もまだ男仕事と思われがちですが少しずつ女性も増えてきています。確かに体力面など男性には及ばないところもありますが、女性なりにできる事や、女性だから気づくことがあると思います。なのでこれからの林業はただ切るだけでなくその先も考えて男女問わず協力しあっていけるのではないかと大いに期待しています。
木材は半永久にありますから仕事は無くならないと思います!
これから木曽町や長野県の中でどのような立場、ポジションになっていきたいですか?
自分自身もまだ携わったばかりなので模索中ですが…
木曽町も若い人達が町外へ転出して減っていくばかりで、少しでも地元に帰ってきて地元で仕事をしたい!地元に貢献したい!林業の仕事をしてみたい!と思う人達の受け皿になれればいいかなと思います。
今は女性でも林業関係の仕事をしている時代ですから、子育てをしながらこのような仕事に携われるようになれば良いですし、少しでも木曽の活性化に繋がれば良いかなと思います。