【人が住むのが里山で】 木守屋 鈴木滉杜さん。
御嶽山の麓で営む、自然と共にある暮らし。
命を紡ぎ、自然と共に生きる、木守屋さんの鈴木滉杜さんをインタビューさせて頂きました。
自己紹介をお願いします。
1998年生まれ。木曽の育ち。中学まで木曽に住み、高校は山形県にあるキリスト教独立学園へ。勉強そっちのけで、農作業や遊んで三年間を過ごす。卒業のち、資金をためてイタリアやアイルランドに留学。彫刻家のもとでアシスタントをしたり、農家でボランティアとして働く。帰国後、東京にて1年間の出稼ぎ。木曽に帰郷後、木曽町三岳の尾尻平集落にて耕作放棄地を再耕作して、小規模ながら無農薬野菜と平飼い養鶏を営む。まだほんの駆け出し。
木曽町のいいところはどんなところですか?
木曽谷は歴史の古い土地です。長い時代の流れに、常に変容してきた人々の暮らしを垣間見るとうれしくなります。中山道、あるいは木曽御嶽山にまつわる多くの旅人を受け入れてきた土地柄か、人々は素朴ながらにとても寛容です。
僕が農業を営む尾尻平は、標高が1,000mを超す山地の小さな谷あいにある限界集落です。川魚や山菜に恵まれたこの土地は、耕せば石器や矢じりが出土します。標高の高いこの土地での農業は一筋縄にはいきませんが、住み継ぐだけの価値が十分にあると感じます。近年は木曽町に移住してくる方も増え、新しい出会いや発見にあふれています。
木曽町での暮らしの様子を教えてください。
”木守屋”という屋号で農業を営んでいます。今年の春に始めたばかりでまだ生業というにはほど遠くはありますが、かつて棚田だった土地を借り受け、野菜の栽培と養鶏をやっています。
田畑は、一度人の手を離れると、驚くべき速さで自然へとかえって行きます。それ自体は自然な事ではあるのですが、人がその中で暮らしを営むとその自然は”里山”としてよみがえります。その人と自然とが共存する里山を目指して、手を入れながらその土地に生かさせてもらっています。また、夏場は御嶽山の古い山小屋にも携わらせていただいています。新しい時代の流れに交わりつつ、また伝統を守っていくのも務めです。
これからどんなことに挑戦したいですか?
癒しの場を作りたいです。今の世界は窮屈です。自由な生き方を選ぶ人がいる一方、そう望んでも、様々な事情でその窮屈な世界で心を擦り切らせて生活している人がたくさんいます。その人たちが少しでも長閑(のどか)に癒される場所を造っていきたいです。あと、木曽馬を飼いたいです。本当は商売っけのない生活を送っていたいです。でもそうもいかないので、必要なだけ商売をして、あとは素朴に小さく生きていたいです。
インタビュー / 写真
長野県木曽町地域おこし協力隊 長屋詠一郎
長野県木曽町 【暮らしのnote】
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